俺は起き上がって雑誌をひとつずつ拾った。

すると、するりとピンクの何かが落ちた。



……それは、いつかマメが作ったおまじないのしおりだった。

あの時はしょうもないもん作って、と呆れてしかいなかったが、俺はそれをゆっくりと拾い上げた。

不恰好に切られたハート形のフェルトが、二枚貼り合わされている。



『恋のしおりだよ! これでラブラブだよ! 2人の名前書いといたからね!』



……俺は、なんとなくそのフェルトを剥がしてみた。

でも、その瞬間、剥がしたことを物凄く後悔した。




そこには、俺とマメの名前じゃなくて、

俺と玲子の名前が書かれていたから。