「どうしたのその顔、超ブス」

「梨子よ……ちょっと昔の夢を見ちゃってねえ……」


登校早々、梨子が私の顔を見てぎょっとした。

私は持ってきた教科書を机の中にしまいながら、乾ききった笑顔をつくった。


「……ねえ、大丈夫?」


梨子が、突然神妙な顔つきになって、そう問いかけた。


「えっ、なにが?」

「いや、色々と……コウちゃん先輩とは最近どうなの?」

「ラブラブだよー! 明日もデートだしね」

「えっ! あ、じゃあ、明日のパーティー2人は来れないんだ」

「そんなことないよー」

「デートの後ふたりでくるとか?」

「ふふー」

「ふふーじゃなくて」