みっちゃんのこと、お母さんに、羽月に、うまく説明できなかった。たしかに感じている、みっちゃんとの縁みたいなものを、ずっと不思議に思っていた。

それがいっきに解決した気がした。

みっちゃんがいとも簡単に正解を答えてくれた。


そうだ。みっちゃんにはじめて会ったあの日、真っ白い雪のなかで、わたしも同じように思ったんだ。なつかしいって。黒ずくめのキタキツネを。この、みっちゃんを。

嘘みたいだけど、当たり前のように、それでいて奇跡みたいに、あの日、みっちゃんはわたしのなかにすとんと落ちてきた。


そうか。わたしたちは、しょうちゃんという窓口を通じて、ずっと前から知り合っていたんだね。


「でもいまは、違うね」


自然に口からこぼれ落ちた。


「わたしたちのあいだに、いまは、しょうちゃんがいないのにね」


いないのにね――

そのあとに続く言葉はなんとなく口にしなかったけれども、みっちゃんはわかってくれたみたいだった。


「奈歩はおもしろいやつだからな」


今度のみっちゃんの言葉は正解かな?

おもしろいやつ……たしかにわたしもみっちゃんをそう思っているけど、それは100点満点の答えかな?

おもしろいから――単にそれだけで、わたしたちはいまこうして多くの時間を共有しているのかな?


わかんないや。みっちゃんとなんとなくいっしょにいる理由、誰かに聞かれても、わたしはきっとうまいこと正解を答えられないと思う。