自己採点の結果はドッコイドッコイって感じ。もちろん理系科目が壊滅的なぶん、わたしよりみっちゃんのほうが総合点は高かったんだけど。

英語と国語の点数を褒められた。がんばったじゃんって。

すべての科目でハイスコアをたたき出しているみっちゃんのことを、わたしも同じようにめちゃめちゃに褒めた。すごいよって。

それでも、ふたりとも目標の得点には届かなかった。1点でも足りなければ容赦ない判定を突きつけられる。これが大学受験だ。


奈歩はどうする、と、みっちゃんは答えをわかりきっているような顔で聞いた。わたしはたぶん、彼の予想どおりの返事をした。

志望校は変えない。受けないでいるより、受けて落ちるほうがずっといい。

みっちゃんは笑った。笑って、奈歩はかっこいいな、とさらりと言った。たったそれだけでデカイ気持ちにさせられるんだから、わたしはみっちゃんを好きなんだ。



「奈歩ちゃん、もう光村くんの邪魔はしないでほしい」


花純ちゃんが泣きそうな顔で言う。

一瞬、なにを言われているのかぜんぜんわからなかった。邪魔って?


「わたしが口出すべきことじゃないってのはわかってるよ。でも光村くん、N大あきらめてK大に行くって……。ねえ、そんなことがあっていいと思う? 光村くん、すごくすごくがんばってたのに……」


もしかして責められているのかなと思った。


「奈歩ちゃんのせいだよ」


あ、責められてるんだって確信した。


「光村くんがN大あきらめたのは、奈歩ちゃんのせいだよ」


そうなの? わたしのせいなの?

わたしがみっちゃんの“邪魔”をしているの?