小学生と高校生。歳の差はあるけれど、ふたりの間には奇妙な連帯感が生まれていた。
わたしたちは両手でハイタッチをして、軽快な音を響かせた。
「えい、えい、おー」と、わたしがこぶしを突き上げると、トモくんも「えい、えい、おー」と乗ってくる。
しだいにそれは「ごー、れっつ、ごー」とか「ちゃー、しゅー、めーん」に変化していき、ふたりでけらけら笑った。
そんなテンションのおかしいわたしたちを、通りすがりのおじさんが不思議そうな顔で見ていた。
***
トモくんに案内してもらった商店でドリンクやらプリンやらを買い込み、重いビニール袋をぶらさげて再び山道を登る。足取りは、さっきよりもさらに軽い。
山の中腹の家に着くと、わたしは指先に力をこめてチャイムを押した。
ぽーん、と高い音が扉のむこうから響く。勝也さんの言う通り、壊れてるわけじゃなかったらしい。
しばらく待っていると、ドアを開けてくれたのは勝也さんだった。