後片づけをお母さんに任せ、わたしは歯を磨いて自分の部屋に戻った。

明日から久しぶりの学校だ。寝坊しないように気をつけなくちゃ。持ち物をきちんと準備して、いつもより早めにベッドに入る。

ひんやりと冷たい布団にもぐりこむと、枕を抱いて目を閉じた。


「……ノア」


暗闇の中。何度呼びかけたかわからないその名前を、小さくつぶやく。


「おやすみ、ノア……」







――そして、その夜わたしは夢を見た。

東京に帰ってきてから、初めて見る夢だった。