それからわたしたちは、神社へ初詣に向かった。
三が日をとうに過ぎた境内は、参拝客の姿もまばらで、砂利の上を歩く足音が静かに響いた。
絵馬を書こうよ、と美那子が言い出し、わたしたちはひとつずつ絵馬を購入した。
「ねーねー、翼は何て書くの?」
「美那子はどうするんだよ」
「えー、どうしよっかなー」
「どうせラブラブな願い事なんでしょ? あんたたちは」
楽しそうな翼と美那子に、わたしはからかいの視線を送る。恥ずかしがりつつも、結局はラブラブなことを書くふたり。
そんなバカップルをしばらく微笑ましく見つめたあと、わたしは自分の絵馬に、願いを書きこんだ。
「――あ、そうだ」
初詣からの帰り道。ふと、出掛ける前にお母さんに言われたあることを思い出して、立ち止まった。