「おじいちゃんが僕の夢に出てくるなんて初めてだったし、ただの夢とは思えなくてさ。気になって仕方なかったから、会社を早退してN県へ向かったんだ」
そっか……だからあの日、やけに到着するのが早かったんだ。
それにわたしは電話で「森」としか言わなかったのに、あの家まで迎えに来てくれたことを不思議に思っていたのも、やっと合点がいった。
「どうせなら、わたしの夢に出てくれればいいのにね」
お母さんがすねたようにぼやき、わたしは思わず笑った。あまのじゃくな、おじいちゃんらしいなって思ったから。
そして、わたしの方からも、あの七日間の出来事を思いきって打ち明けた。
現実にはありえない不思議な話を、両親とも疑うことなく信じてくれた。
「そっか……ノアとおじいちゃんがね」
すべてを聞いたお父さんは、目をうるうるさせていた。やっぱりお父さんは家族一、涙もろい人だ。