わたしはシートからお尻を浮かせ、後ろを振り返った。リアガラスの向こうで、三角屋根の家が徐々に小さくなっていった。 ばいばい。ありがとう。 わたしを乗せた車は、日常へと帰っていく。 たかが七日間――されど七日間。 わたしに起きた、やさしい奇跡。 世界は思い通りには変わらない。 だけどきっと、自分自身は変わっていけるんだ。