七日ぶりに見る両親の顔。お父さんは無精ひげが生えているし、お母さんは目の下にクマを作っている。

明らかにやつれたふたりに、心がずきんと痛んだ。


「環、大丈夫なの!? ケガはしてない!?」


お母さんの第一声は、それだった。充血した目でわたしに詰め寄り、必死に無事を確認する。


「う、うん……大丈夫」


そう答えた瞬間、目の前の顔から、みるみる力が抜けていった。

わたしの両肩をつかんだお母さんがうなだれるように下を向き、一呼吸ついて、そして。


「このばか!!」


鼓膜の破れるような雷を落とした。


「どれだけ心配したと思ってんの! 連絡くらいしなさい! 事件に巻きこまれたんじゃないかって、夜も眠れなかったのよ!
そもそも、バイトに行ったんじゃなかったの!? みんなに迷惑かけて、どれだけ無責任なの! そんなワガママ、社会に出たら通用しないんだからね!」


きーん、と耳鳴りがした。一気に怒鳴って酸欠になったお母さんが、はあはあと激しく息をしている。