『この岩をテーブルにして、おままごとをしたよね。
きみがおかあさんで、おれがこども。
「いただきます」のかわりに「ワン」っておれがないたら、とてもよろこんでくれたね。
タマちゃんならきっと、いつか本当のすてきなおかあさんになるれよ』
『この坂はちょっと、きつかったなあ。
おれがころばないように、タマちゃんがうしろを歩いてくれたね。
そんなやさしいきみに、おれはずっと恋してた。
しあわせで、しあわせで、だからおれは、しっぽをいっぱいふったんだよ』
『タマちゃん。ねえ、タマちゃん。
今までほんとうに、ありがとう。
おれがいなくなっても、それはかなしいことなんかじゃない。
きみがきみのせかいを愛するかぎり、そこにおれは、そんざいしているんだ――』