今の家族の姿を、頭に思い描いてみる。それは、ぐちゃぐちゃにもつれた糸みたいだと思った。
長い年月をかけて絡んだ糸は、簡単には解けそうにない。
けれど……その糸は確かにわたしたちをつないでいる。もつれてしまったけれど、糸の端と端はわたしたちにつながっている。
ケンカをするのも、いがみ合うのも、ぐちゃぐちゃに絡んでしまったのも、わたしたち家族がけっして糸を離さなかったからだ。
そんな風に思えた自分に、びっくりした。
「……うん。そうだね」
わたしはうなずいて、雪だるまをそっと直した。
「お母さんも、同じ気持ちだったのかもしんない」
頑ななわたしの固い心を、するんと溶かすノアは、すごい。昨日といい今日といい、ノアの前でわたしはどんどん裸になっていく。
「あ、でも、だからってすぐにお母さんと仲良くなんてできないよ。どんなにわたしが仲良くしようと思っても、お母さんが変わらなきゃ一緒だし」
つい意地っ張りな声でわたしが言うと、ノアがふふっと笑った。