わたしの疑問を感じ取ったのか、蒼ちゃんが先回りして答えた。
「俺、あの人たちの養子なんだ」
「え?」
あからさまな動揺を顔に貼りつけて固まったわたしに、彼はさらりとした口調で「8
歳から」と続ける。
8歳と言ったらまだまだ幼い子どもだ。
いったいどんな理由があって、彼は実の親と別れることになったんだろう。
どんな気持ちで、その現実を受け入れてきたんだろう。
わたしも両親が離婚してお父さんとは離れているけれど、花江くんはもっと小さな頃から。
しかもお父さんとお母さん、両方から離れて……。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…