「真緒ちゃんと蒼は、ほんとに似た者同士だね」

「え？」


蒼ちゃんとわたしが？

思いがけない一言に戸惑っていると、凪さんはわたしの頭を一度だけぽんと撫でて、手を引っ込めた。


「似てるよ。ふたりともすごく強い……ううん、強くならなきゃって精いっぱい頑張ってる。俺も昔はそういうタイプだったから、よくわかるんだ」

「……凪さんも？」

「うん。でもひょっとしたら、そういう人は世の中に多いのかもしれないね」


微笑んでいるような悲しんでいるような、捉えどころのない色の瞳がわたしを見つめている。そして凪さんは言った。


「真緒ちゃん。心をいじめちゃダメだよ。弱い自分を、もっと大切にしてあげてほしい」


弱い自分を……。