あ、とそのときわたしは思った。

ホタルの耳が、かすかに赤くなっていたから。

もしかして、ホタル……照れてる?

大和たちは当然、目の前にいるのが蒼ちゃんだと思っている。
だけど今、彼らが見ているのはその中身だ。

蒼ちゃんだからじゃなく、無条件に、ホタルを好きだと言ってくれているんだ。

きっとそれをホタル自身も感じ取って、だから……。


「……ふふっ」


大和たちから伝染したのか、わたしも無意識に唇の端が上がった。

それに気づいたホタルが、ぎろっと恨めしそうな視線をよこす。


「お前、笑ってないでこいつらを何とかしろよ」

「ごめんごめん。でもいいじゃん、みんなで仲良くすれば」

「はあ!?」


目を三角にするホタルが可笑しくて、わたしたちは和気あいあいと笑い合った。