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─── どれだけ眠ってしまっていたのかは、わからない。


気が付いた時には手に持っていた携帯電話の時刻が17時半を記していて、ああ、もうそんな時間か、と。


もしもここに先輩がいたら、暗くなる前に図書館を出ないと、って言うだろうなぁなんてことを考えて、眠りから冷めても押し寄せてくる悲しさに胸が苦しくなった。


だけど、こんな風に苦しくなるのも今日で終わり。



(……もう、帰らなきゃ。先輩と、サヨナラしなきゃ)



そう思いながらも、机に突っ伏したままの顔を上げることが出来ない。


このままここにいれば、先輩とサヨナラなんてしなくて済むのに、なんて。


そんな小さな子供のようなことを考えて、私は未だに靄の掛かっている思考を晴らすように、ゆっくりと顔を上げた。