だけど、そんな風に蓮司が悩むことが、そもそも間違っているんだ。
だって、元を辿ればその全ては私が原因で。
先輩の推薦の件も、私と先輩の関係も、今こうなっているのは全て、私の抱えている問題が原因なのだから蓮司が責任を感じる必要なんてない。
だからこそ、優しい蓮司が今以上に自分を責めないようにと、私も蓮司の前では極力明るく務めてきた。
最近では少しずつ蓮司が切なそうな表情をすることも減ってきて、ようやく蓮司の中に蔓延る罪悪感も薄れてきたのかと思っていたのに。
それなのに、どうして、突然。
「……俺、相馬先輩に会いに行ったんだ」
「(え……?)」
「でも……先輩は帰った後で結局会えなくて。そしたらたまたま……サッカー部の顧問に会ってさ。俺、何度か大会とか練習試合で会って挨拶してるから顔見知りで。それで……先輩のこと、その顧問に聞いてみたんだ」
「っ、」
「そしたら、相馬先輩……推薦はダメになったけど、大学はセンター受けて受験するって。なんでも、推薦貰って受ける予定だった私立大学じゃなくて、それより難易度の高い、県外にある国公立の医学部」
「(県外の……医学部?)」