─── 照りつける太陽と首筋をなぞる汗、身体を溶かすような暑さに私は小さく溜息を吐き出した。


終業式を終え教室に戻ってきた私達は、担任の先生からのお決まりの注意事項と長い話を聞き、いつも通りの挨拶を交わしながら帰り支度をしていた。


……気が付けば一学期を通り過ぎ、明日からは待ちに待った夏休み。


けれど私は、晴れることのない心を抱えて、もうスッカリ癖になりつつある溜息を吐き出して俯いた。



(……はぁ、)



夏休み前だというのに憂鬱な心。その理由の一つが……あの日以来、私を避けるようになった蓮司との関係だ。