しらばく葛西くんと並んで池を見つめながら、この前のテストの結果とか、部活のこととか、何でもない話をした。
話をしたと言っても、私はやっぱりうまく会話ができなくて、葛西くんが話すのを聞いて相づちを打つくらいしかできなかったけれど。
葛西くんが友達に呼ばれて立ち去ったときには、なんだかほっと息をついてしまった。
柵に頬杖をついて亀を眺めていると、池の反対側に、雪夜くんと嵐くんが立っていて、こちらを見ていた。
今日はよく目が合うな……なんて思っていると、後ろから急に抱きつかれて、私は「わっ」と声をあげてしまった。
振り向くと、にやにやした梨花ちゃんの顔がすぐ側にあった。
「びっくりした」
「ふふふ……それは私の台詞だな。見てたよー、美冬」
意味深な口調で言われて、私は首をかしげる。
「え? 見てた? 何を?」
「もう、とぼけるなよー。葛西といい感じだったじゃん!」
「へっ?」
いい感じ、というのは、やっぱりそういう意味だろうか。
「うそ、そんなことないよ。ただ喋ってただけだし……」
必死に反論するものの、恋愛の話をされたというのが照れくさくて恥ずかしくて、何もやましいことはないはずなのに、頬がじわじわと熱くなってくる。
「本当にー? まあ、美冬のほうはともかく、葛西はかなり美冬に気がある感じだよね」
「ええ? ないない、それはない! 普通に世間話しただけだもん」
「だって、その気がないならわざわざ話しかけにこないでしょ」
梨花ちゃんはやけに嬉しそうだ。
話をしたと言っても、私はやっぱりうまく会話ができなくて、葛西くんが話すのを聞いて相づちを打つくらいしかできなかったけれど。
葛西くんが友達に呼ばれて立ち去ったときには、なんだかほっと息をついてしまった。
柵に頬杖をついて亀を眺めていると、池の反対側に、雪夜くんと嵐くんが立っていて、こちらを見ていた。
今日はよく目が合うな……なんて思っていると、後ろから急に抱きつかれて、私は「わっ」と声をあげてしまった。
振り向くと、にやにやした梨花ちゃんの顔がすぐ側にあった。
「びっくりした」
「ふふふ……それは私の台詞だな。見てたよー、美冬」
意味深な口調で言われて、私は首をかしげる。
「え? 見てた? 何を?」
「もう、とぼけるなよー。葛西といい感じだったじゃん!」
「へっ?」
いい感じ、というのは、やっぱりそういう意味だろうか。
「うそ、そんなことないよ。ただ喋ってただけだし……」
必死に反論するものの、恋愛の話をされたというのが照れくさくて恥ずかしくて、何もやましいことはないはずなのに、頬がじわじわと熱くなってくる。
「本当にー? まあ、美冬のほうはともかく、葛西はかなり美冬に気がある感じだよね」
「ええ? ないない、それはない! 普通に世間話しただけだもん」
「だって、その気がないならわざわざ話しかけにこないでしょ」
梨花ちゃんはやけに嬉しそうだ。