ちらりと隣を見ると、雪夜くんと目が合った。
一瞬、驚いたように軽く目を見張った彼は、すい、と顔を背ける。
「あれ、美冬と雪夜は連絡しなくていいの?」
携帯で何か文字を打ち込みながら梨花ちゃんが首を傾げて私たちに訊ねてきた。
口を開こうとすると、嵐くんが「そんなん別にどうでもいいだろ」と唐突に声をあげたので、三人の視線が彼に集まる。
「わざわざ訊かなくていいじゃん」
「……そりゃそうだけど。なんとなく、話の流れじゃん」
梨花ちゃんが傷ついたように眉根を寄せているのに気がついて、私は慌てて口を開いた。
「あ、気にしないで。別に訊かれて困ることじゃないし」
途端に三人の視線が私に集まる。
「あのね、うち、お母さんいないから。ずっと昔に亡くなってて」
なるべく平然と、さらりと言う。
それでもやっぱり、梨花ちゃんは「そうなの?」と目を丸くした。
「うん。今日はお父さんは仕事で、妹は部活で、だからお昼はどうせ私だけだから、みんなと食べることになっても特に連絡はいらないの」
私の言葉に梨花ちゃんは「そうなんだ」と頷いた。
「じゃ、今日は家のこと気にしないでいいんだね。どこに食べに行く? 美冬、食べたいものとかある?」
あっけらかんとした口調で明るい笑顔とともに言われたので、私はぽかんとして梨花ちゃんを見つめ返した。
一瞬、驚いたように軽く目を見張った彼は、すい、と顔を背ける。
「あれ、美冬と雪夜は連絡しなくていいの?」
携帯で何か文字を打ち込みながら梨花ちゃんが首を傾げて私たちに訊ねてきた。
口を開こうとすると、嵐くんが「そんなん別にどうでもいいだろ」と唐突に声をあげたので、三人の視線が彼に集まる。
「わざわざ訊かなくていいじゃん」
「……そりゃそうだけど。なんとなく、話の流れじゃん」
梨花ちゃんが傷ついたように眉根を寄せているのに気がついて、私は慌てて口を開いた。
「あ、気にしないで。別に訊かれて困ることじゃないし」
途端に三人の視線が私に集まる。
「あのね、うち、お母さんいないから。ずっと昔に亡くなってて」
なるべく平然と、さらりと言う。
それでもやっぱり、梨花ちゃんは「そうなの?」と目を丸くした。
「うん。今日はお父さんは仕事で、妹は部活で、だからお昼はどうせ私だけだから、みんなと食べることになっても特に連絡はいらないの」
私の言葉に梨花ちゃんは「そうなんだ」と頷いた。
「じゃ、今日は家のこと気にしないでいいんだね。どこに食べに行く? 美冬、食べたいものとかある?」
あっけらかんとした口調で明るい笑顔とともに言われたので、私はぽかんとして梨花ちゃんを見つめ返した。