染川さんの言葉に、私は思わず「ちがう」と声をあげた。

みんなの視線が集まる。


「ちがうの……あのね」


私はどきどきしながら、自分の気持ちを伝えようと言葉を選ぶ。


「遠藤くんが悪いんじゃなくて……私が、弱いから」


染川さんが「え?」と首を傾げた。

もっとうまく伝えなきゃ、と頭の中で言葉をひねりだす。


「私のどこかが悪くて嫌われちゃったんだと思うんだけど、でも、私、鈍いから、何が悪いのか分からなくて」


三人は、まどろっこしい私の話を黙って聞いてくれて、急かしもせずに続きを待ってくれている。

だから、たくさん話すことが苦手な私も、なんとか言葉を続けることができた。


「それにね、こんなふうにはっきり、嫌われてることを知ったことがなかったから、どうすればいいか分からなくて……悲しくなって……」


そう言うと、遠藤くんが小さく舌打ちをした。

びくりとして目をあげると、彼は唇を噛んで私を見つめている。

その唇が薄く開いた。


「……言ってないだろ」


よく聞こえなくて「え?」と聞き返すと、遠藤くんがもう一度くり返した。


「嫌いだなんて言ってないだろ。ただ、お前とは口をききたくないって言っただけだろうが」