のどの奥がぎゅうっと苦しくなって、目頭が熱くなった。

あ、と思って手で押さえたときにはもう手遅れで、ぽろりと涙が一粒こぼれてしまった。


「……あっ、美冬!」


染川さんが気づいて声をあげ、三浦くんと遠藤くんも小さく息をのんだ気配がした。


だめだ、こんなところで泣いたら。

泣くのはずるいし、最低だ。

それに、みんなに引かれてしまうし、困らせてしまう。


そう思って、なんとか涙を止めようとしたのに。


「大丈夫!?」


染川さんが私の肩を抱いてくれたその手の優しさに、さらに涙があふれてきてしまった。


三浦くんが「あーあ」と肩をすくめて、


「雪夜、とうとう泣かせちゃったな」


と遠藤くんに言った。


遠藤くんはぎゅっと唇を引き結んで、ふうっと息を吐いた。

それから、何かを言おうとするように薄く口を開き、でも結局は何も言わず、また口を閉じた。

ふいっと横を向き、しばらくしてからぽつりと言う。


「……こんなことくらいで、いちいち泣くな」


私に向けられた言葉だと分かった。


そうだよね、と思う。

これくらいのことでいちいち泣くなんて、情けない。

子供じゃないんだから。


私は納得していたけれど、染川さんが呆れたように「はあ?」と遠藤くんに食ってかかる。


「なに、その言い方! あんたが泣かせたんでしょうが!」