雪夜くんが私の首筋に頬を寄せる。

確かめるように何度も。


私も彼の耳許に頬を寄せた。


「……美冬を……苦しめたくないんだ」


震える声が言った。


「守りたいし、傷つけたくない。なのに……一緒にいたいと、触れたいと、思ってしまうんだ」


私は彼を抱く腕に力を込める。


次の瞬間、雪夜くんの腕の中に包み込まれた。


「傷つけたくない。だけど、抱きしめたい」


雪夜くんに抱きしめられる。

息もできないくらいに、強く、強く。


「私も……」


同じように抱きしめかえしながら、私は囁いた。


「雪夜くんを抱きしめたい。抱きしめてもらいたい。だから……側にいても、いい?」


雪夜くんが細く息を洩らしながら頷いた。


「ごめん……好きになって、ごめん。苦しめるって分かってたのに、諦められなくて……ごめん」


どうして謝るの、と言ったのに、彼は私の肩に顔を埋めたまま、何度も何度も謝った。


「ごめん……愛してる」