『美冬、お誕生日おめでとう。


まだ早いかもしれないけれど、なんだか今、どうしてもお母さんの気持ちを文字にしておきたくなったの。

今はまだ分からないだろうけど、きっと大きくなったらわかってくれると思います。


お母さんは美冬のことが大好き。

佐絵のことも大好き。


あなたたちが笑っていても、眠っていても、泣いていても、怒っていても、いたずらをしていても、ケンカしていても、何をしていたって愛おしい。


こんなに大きな愛が自分の中にあったなんて、あなたたちを生むまで知らなかったな。

泉みたいにどんどん、どんどん、愛おしさが湧き出してくるの。

私がこんなにも深く誰かを愛せる人間なんだってこと、あなたたちが教えてくれたんだよ。


いつまで一緒にいられるか分からないけれど。

もしかしたら思っているよりもずっと早く別れがやってきて、あなたたちと離れてしまう日がくるかもしれないけれど。


でも、覚えていてね。

お母さんは、たとえどんなに遠く離れてしまっても、もしも、もう二度と会えなくなってしまっても、この胸に溢れる愛を美冬たちに注ぎ続けるよ。

あなたたちが皺くちゃのおばあさんになっても、私は天国から、あなたたちを愛し続けるからね』



一枚目はそこで終わっていた。

気がついたら、文字が読めなくなるくらいに涙が流れていた。


まるで自分の死を予感していたかのような言葉だ。

切なくて苦しくて、息を大きく吐き出してから、私は二枚目を手にとった。