雪夜くんたちと合流して、映画館に行くことになった。
街には、期末試験が終わって早くも冬休み気分の学生たちが溢れていた。
ちょうど公開されたばかりの映画があったので、それを観ることにする。
チケットを買って指定のシアターに行き、席についた。
当たり前だけれど梨花ちゃんと嵐くんが隣同士に座って、その流れで私は雪夜くんの隣に座ることになった。
気まずさに緊張が高まる。
梨花ちゃんに席を代わってもらおうかな、と見てみたら、彼女はさっき買った映画のパンフレットを読みながら嵐くんに話しかけていた。
せっかく楽しそうにしているのに口をはさむのは申し訳なくて、動けない。
ちらりと横を見ると、雪夜くんは肘かけに頬杖をついてぼんやりとスクリーンを眺めていた。
肘が触れあってしまわないように、私は肩を縮めて座る。
するとそれに気がついたのか、雪夜くんが前を向いたまま「ごめん」と呟いて頬杖を外した。
そんな気遣いが嬉しくて、でも切なくて、私は「ううん」と首を振ってうつむいた。
開演まではまだ少し時間がある。
このままこの状態で映画が始まるのを待つのはつらいな。
そう思っていたら、嵐くんが「俺、何か飲みもん買ってくる」と腰を上げた。
「ついでにみんなの分も買ってくるわ。何がいい?」
私は慌てて席を立ち、「私も行く」と声をあげた。
「嵐くんひとりじゃ大変でしょ。梨花ちゃんはパンフ読んでるし」
「あ、そう? じゃあ一緒に行こうか」
不自然すぎたかな、と思いつつも、雪夜くんのとなりから離れられることに安堵しながらシアターを出た。
街には、期末試験が終わって早くも冬休み気分の学生たちが溢れていた。
ちょうど公開されたばかりの映画があったので、それを観ることにする。
チケットを買って指定のシアターに行き、席についた。
当たり前だけれど梨花ちゃんと嵐くんが隣同士に座って、その流れで私は雪夜くんの隣に座ることになった。
気まずさに緊張が高まる。
梨花ちゃんに席を代わってもらおうかな、と見てみたら、彼女はさっき買った映画のパンフレットを読みながら嵐くんに話しかけていた。
せっかく楽しそうにしているのに口をはさむのは申し訳なくて、動けない。
ちらりと横を見ると、雪夜くんは肘かけに頬杖をついてぼんやりとスクリーンを眺めていた。
肘が触れあってしまわないように、私は肩を縮めて座る。
するとそれに気がついたのか、雪夜くんが前を向いたまま「ごめん」と呟いて頬杖を外した。
そんな気遣いが嬉しくて、でも切なくて、私は「ううん」と首を振ってうつむいた。
開演まではまだ少し時間がある。
このままこの状態で映画が始まるのを待つのはつらいな。
そう思っていたら、嵐くんが「俺、何か飲みもん買ってくる」と腰を上げた。
「ついでにみんなの分も買ってくるわ。何がいい?」
私は慌てて席を立ち、「私も行く」と声をあげた。
「嵐くんひとりじゃ大変でしょ。梨花ちゃんはパンフ読んでるし」
「あ、そう? じゃあ一緒に行こうか」
不自然すぎたかな、と思いつつも、雪夜くんのとなりから離れられることに安堵しながらシアターを出た。