微笑みを浮かべながら携帯電話に語りかける梨花ちゃんを見ながら、幸せそうだな、と思う。
そこに妬みや羨望が滲んでしまいそうで、私は慌てて思考を切り替えた。
こんなことを思いたくない。
やっと恋人同士になって幸せな日々を送っている二人を羨むようなことはしたくない。
心から祝福できる自分でいたい。
それなのに、油断していると、ふっと雪夜くんの面影が胸に浮かんできてしまう。
私たちがいちばん幸せだった頃のことを思い出してしまう。
考えないように、考えないようにと意識を他のところへ向かわせる努力をした。
ぼんやりと街並みを見つめていたら、梨花ちゃんが電話の通話口を手で押さえて私を振り向いた。
「ねえ、美冬。嵐がね、雪夜といるらしいんだけど、今から合流しないかって」
どきりとする。
正直なところ、今はあまり彼の顔を見たくなかった。
でも、私と梨花ちゃんは今から街に遊びに行く約束をしていて、今さら『予定があるから帰る』などと言って断るのも不自然だ。
「……うん、いいね。そうしよう」
心に渦巻く色々な感情を無視して、私は笑って頷いた。
梨花ちゃんがにこっと笑い、また嵐くんとの話に戻っていく。
気持ちを引き締めなきゃ、と私は冷えきった指で目をこすった。
気を抜いたら、余計なことを考えてしまいそうだった。
そこに妬みや羨望が滲んでしまいそうで、私は慌てて思考を切り替えた。
こんなことを思いたくない。
やっと恋人同士になって幸せな日々を送っている二人を羨むようなことはしたくない。
心から祝福できる自分でいたい。
それなのに、油断していると、ふっと雪夜くんの面影が胸に浮かんできてしまう。
私たちがいちばん幸せだった頃のことを思い出してしまう。
考えないように、考えないようにと意識を他のところへ向かわせる努力をした。
ぼんやりと街並みを見つめていたら、梨花ちゃんが電話の通話口を手で押さえて私を振り向いた。
「ねえ、美冬。嵐がね、雪夜といるらしいんだけど、今から合流しないかって」
どきりとする。
正直なところ、今はあまり彼の顔を見たくなかった。
でも、私と梨花ちゃんは今から街に遊びに行く約束をしていて、今さら『予定があるから帰る』などと言って断るのも不自然だ。
「……うん、いいね。そうしよう」
心に渦巻く色々な感情を無視して、私は笑って頷いた。
梨花ちゃんがにこっと笑い、また嵐くんとの話に戻っていく。
気持ちを引き締めなきゃ、と私は冷えきった指で目をこすった。
気を抜いたら、余計なことを考えてしまいそうだった。