短い夏休みが終わり、あっという間に秋が過ぎて、また冬がやってきた。

私たちが出会った季節。


クリスマスプレゼントに雪夜くんがネックレスをくれた。


「本当は誕生日にあげたかったんだけど、なんか、訊けなかったから」


恥ずかしそうに言う彼に、「私の誕生日は二月だよ」と言うと、「よかった、まだ過ぎてなかったんだな」と安堵したように笑った。


雪夜くんの誕生日は一月。

二人とも冬生まれなんだね、と小さな共通点が嬉しくて笑い合った。


年が明けると、本格的に受験モードになった。

雪夜くんの誕生日を祝って、『無事に二人とも合格したら、春休みに少し遠くまで遊びに行こう』と約束して、それだけを励みに頑張った。


二人とも順調に成績は上がっていて、模試の結果も上々で、きっと約束は果たされるだろうと思った。


春休みに遠出して、高校生になったら同じ学校で過ごせる。

そんな楽しい空想で、私の胸はいっぱいだった。


――でも、ある日突然、全てが崩れ去った。


受験を二週間後に控えた、二月下旬の日曜日。

その日はお母さんの命日で、私たち家族は毎年お墓参りに行く。


だから雪夜くんとは会わないことになっていた。

でも、お墓の帰りに家族で街を歩いているときに、たまたま雪夜くんに会ってしまった。