毎日が楽しくて、満たされていて、本当に幸せだった。


平日はほとんど毎日、放課後になると会っていたし、休日も予定がなければ会っていた。

それでも、学校にいる間や家に帰ってから、側にいられない数時間が永遠のように長く感じられるほど、二人でいるのが自然だった。


好きだなんて言い合ったことはなかったけれど、お互いにとってお互いが特別な存在だというのは、言葉がなくても伝わってきた。


初めてキスをしたのも、あの教会だった。

ステンドグラスを透かして射し込んでくる七色の光が雪夜くんの輪郭を縁どって、息を呑むほど綺麗だったのを覚えている。


いつまでもこうして二人でいられると思っていた。

離れる日がくるなんて考えられなかった。


中学三年生の夏休み、私たちは同じ高校を受験する約束をした。

ちょうど二人の住む町の間にある清崎高校を選んだ。

雪夜くんはもっと上の高校も受けられると先生に言われたようだったけれど、私と同じ学校に通いたいからと合わせてくれた。


彼は施設の人に遠慮して、塾に通うお金はないと言っていたし、私も夜になれば家のことをしなければならなかったので塾に通う時間はなかった。

だから教会で一緒に勉強した。


お互いの得意な教科を教え合って、そんな些細なこともすごく嬉しくて、二人でするなら受験勉強も少しもつらくなかった。