二人でいると子供たちにからかわれるので、それを恥ずかしがった雪夜くんが、これからは外で会おう、と言い出して、それからは一緒に出かけることが増えた。


外で会うようになってからは、二人でぶらぶらと街を歩くのがほとんどだった。

ただ歩いているだけなのに、雪夜くんとだとすごく楽しくて、それを伝えたら彼は真っ赤な顔になった。


なんとなく雑貨屋に入って店内を見ていたとき、鍵盤のペンケースを見つけてしばらく眺めていたら、次に会ったときに雪夜くんが「ん」と差し出してきた。

「気に入ってたみたいだから」とそっぽを向きながら言う顔が愛おしくて、そのとき初めて、彼のことが好きだと自覚した。


私はギターの形をしたキーホルダーを買ってお返しにした。


ある休日、いつものように長い散歩をしていた私たちは、たまたまあの教会を見つけた。

まだ屋根が崩れる前の、でももう何十年も前に使われなくなった、無人の教会。


入り口のドアが少し開いていたので、興味を引かれて中に忍び込んだ。

綺麗な十字架とステンドグラス、パイプオルガンと、楽器の音が美しく響く屋根。


一目で私たちはそこを気に入り、それ以来、会うときはいつもそこだった。


私がオルガンを弾き、雪夜くんはギターを弾いて歌を歌う。


いつしか二人で曲を作るようになった。

雪夜くんは、私が持っていたノートのページを切り取り、そこに作った曲のコードを書いて、それに合わせて私がピアノを弾けばいいようにしてくれた。

私もいつの間にかコードを覚えていた。