買い物を終え、家へ向かって小道を歩く。

食材がぎゅうぎゅう詰めになった袋はずっしりと重くて、自然と足どりが遅くなった。


公園を通りかかると、小学校一、二年くらいの男の子たちが元気いっぱいに走り回っている。

鬼ごっこをしているらしい。

つかまった子も、つかまえた子も、楽しそうに笑っていた。


いいねえ、若いって、なんてお年寄りみたいなことを思いながら、私は公園を通りすぎた。


家に着くと、鞄から鍵を取り出して玄関を開ける。

いつものように、ひっそりと静かな室内。


佐絵が小学校に通っていた頃までは、彼女が先に帰宅して、友達を呼んでわいわいと遊んでいることが多かった。

でも、中学生になると佐絵はテニス部に入り、暗くなるまで帰ってこないようになったので、今は、家の鍵を開けてみんなの帰りを待つのは私の仕事だ。


活発でいつも外を遊び回っている佐絵とはちがって、家で本を読んだりすることの多い私は、友達と遊びに行くこともほとんどない。

部活も、とくに気になるたいものはなかったし、早く家に帰ってごはんの支度をしたいから、どこにも入部しなかった。


だから私は、放課後はいつも一人でいる。

これが自分の性格だし、寂しいとは思わないけれど、我ながら暗いなあ、とは思っている。