「すごい、準備がいいね!」
やっぱりどこか様子のおかしい雪夜くんに二人の注意がいかないように、柄にもなくぱちぱちと手を叩いて声を上げると、梨花ちゃんと嵐くんが同時に目を丸くした。
「美冬が、あの美冬がはしゃいでる……!」
「すげえ、海の魔力、すげえ!」
驚く二人の顔を見ていると恥ずかしくなって、私は思わず俯く。
でも、少し後ろに立っていた雪夜くんが、「……ごめん、ありがとう」と囁いたので、びっくりしてまた顔を上げてしまった。
私の考えに気づいてくれたなんて。
そして、ありがとう、と言ってくれるなんて。
雪夜くんはまっすぐな瞳で私を見てから、ふいっと視線を逸らす。
梨花ちゃんと嵐くんには聞こえなかったようで、二人はビニールシートの上に荷物を広げ始めていた。
「……ううん、どういたしまして」
小さく返すと、雪夜くんがかすかに頷いた気がした。
「さて、着替えに行こうか」
梨花ちゃんに声をかけられて、私は我に返って「うん」と答える。
「あっちに更衣室があるみたいだから、水着持って行こう」
嵐くんも頷いて、荷物を持って立ち上がった。
雪夜くんはここで待っていたほうがいいんじゃないかな、私も一緒にいようかな、と思ったけれど、それでは怪しまれると思ったのか、彼は嵐くんと並んで歩き出してしまった。
やっぱりどこか様子のおかしい雪夜くんに二人の注意がいかないように、柄にもなくぱちぱちと手を叩いて声を上げると、梨花ちゃんと嵐くんが同時に目を丸くした。
「美冬が、あの美冬がはしゃいでる……!」
「すげえ、海の魔力、すげえ!」
驚く二人の顔を見ていると恥ずかしくなって、私は思わず俯く。
でも、少し後ろに立っていた雪夜くんが、「……ごめん、ありがとう」と囁いたので、びっくりしてまた顔を上げてしまった。
私の考えに気づいてくれたなんて。
そして、ありがとう、と言ってくれるなんて。
雪夜くんはまっすぐな瞳で私を見てから、ふいっと視線を逸らす。
梨花ちゃんと嵐くんには聞こえなかったようで、二人はビニールシートの上に荷物を広げ始めていた。
「……ううん、どういたしまして」
小さく返すと、雪夜くんがかすかに頷いた気がした。
「さて、着替えに行こうか」
梨花ちゃんに声をかけられて、私は我に返って「うん」と答える。
「あっちに更衣室があるみたいだから、水着持って行こう」
嵐くんも頷いて、荷物を持って立ち上がった。
雪夜くんはここで待っていたほうがいいんじゃないかな、私も一緒にいようかな、と思ったけれど、それでは怪しまれると思ったのか、彼は嵐くんと並んで歩き出してしまった。