入り口の扉の前で梨花ちゃんが立ち止まったので、あとの三人も足を止めた。
扉は木で出来ていて、ずいぶん陽に焼けて変色し、ところどころ傷んで毛羽立っている。
かなり古い教会のようだ。
「ねえ、一つ疑問なんだけど」
梨花ちゃんが眉を寄せて呟いた。
「教会って、勝手に入っていいものなの?」
すると嵐くんが「どうだろう」と答える。
「昔住んでたところの近くにも教会があって、たしか出入り自由になってたような気がするけど」
「それって信者の人だけじゃなくて?」
「それもそうだけど、でも、新しく信者になりたい人とかもいるだろ? だから一応誰でも入れるんじゃないのか?」
「そうかなあ。どっちにろ、とりあえず教会の人に許可もらってから入るのが礼儀って気がするよね」
「教会の人って言うと、神父さんか?」
「だよね、やっぱり。どこにいるのかな?」
「そりゃ、この中だろ」
「じゃあ、やっぱ勝手に入るしかないじゃん」
「……そうなるな」
梨花ちゃんと嵐くんが話し合っている間、雪夜くんは黙って入り口を見つめていた。
そしておもむろに腕を上げ、ぐっと扉を押した。
扉はいとも簡単に開く。
「えっ、ちょっと、雪夜! なに勝手に……」
慌てて止めようとした梨花ちゃんの動きが止まり、呆然とした顔で教会の中を見つめた。
扉は木で出来ていて、ずいぶん陽に焼けて変色し、ところどころ傷んで毛羽立っている。
かなり古い教会のようだ。
「ねえ、一つ疑問なんだけど」
梨花ちゃんが眉を寄せて呟いた。
「教会って、勝手に入っていいものなの?」
すると嵐くんが「どうだろう」と答える。
「昔住んでたところの近くにも教会があって、たしか出入り自由になってたような気がするけど」
「それって信者の人だけじゃなくて?」
「それもそうだけど、でも、新しく信者になりたい人とかもいるだろ? だから一応誰でも入れるんじゃないのか?」
「そうかなあ。どっちにろ、とりあえず教会の人に許可もらってから入るのが礼儀って気がするよね」
「教会の人って言うと、神父さんか?」
「だよね、やっぱり。どこにいるのかな?」
「そりゃ、この中だろ」
「じゃあ、やっぱ勝手に入るしかないじゃん」
「……そうなるな」
梨花ちゃんと嵐くんが話し合っている間、雪夜くんは黙って入り口を見つめていた。
そしておもむろに腕を上げ、ぐっと扉を押した。
扉はいとも簡単に開く。
「えっ、ちょっと、雪夜! なに勝手に……」
慌てて止めようとした梨花ちゃんの動きが止まり、呆然とした顔で教会の中を見つめた。