しばらくすると梨花ちゃんがやって来て、待ち合わせ時間ちょうどに雪夜くんが現れた。
雪夜くんは前と同じように長袖を着ている。
私に見せたくなかった、と言っていたけれど、私が見てしまった後になっても結局、雪夜くんは学校でも外でも長袖を着つづけていた。
やっぱり傷痕を見られるのは嫌なのかな、と思う。
「じゃあ、行こうか」
嵐くんが先頭に立って歩き出し、私たちは先日の聞き込みで情報を入手した不思議な噂のある教会へと向かいはじめた。
嵐くんが雑貨屋のおばさんから教えてもらった場所を地図アプリに入力し、スマホを見ながら進んでいく。
「たぶんこっちだと思うけど……あれ、おかしいな」
しばらくすると、嵐くんが画面とにらめっこをしながら首をひねりはじめた。
どうしたの、と梨花ちゃんが嵐くんに近づく。
「分かんなくなった? 見せて見せて」
「この道がこれだろ、それで……」
「え、違うんじゃない? あっちの道じゃない?」
「そうかあ?」
どうやら道が分からなくなってしまったらしい。
私も一応見せてもらったけれど、そもそも土地勘がないので、役には立てなかった。
もしかしたら看板か案内板があるかもしれない、と思って首を巡らせてみる。
傍らの樹を見上げている雪夜くんの姿が目に入った。
炎天下にも関わらず涼しげな顔をして、そよ風にさわさわと揺れる梢を見るともなく見ているようだ。
雪夜くんは前と同じように長袖を着ている。
私に見せたくなかった、と言っていたけれど、私が見てしまった後になっても結局、雪夜くんは学校でも外でも長袖を着つづけていた。
やっぱり傷痕を見られるのは嫌なのかな、と思う。
「じゃあ、行こうか」
嵐くんが先頭に立って歩き出し、私たちは先日の聞き込みで情報を入手した不思議な噂のある教会へと向かいはじめた。
嵐くんが雑貨屋のおばさんから教えてもらった場所を地図アプリに入力し、スマホを見ながら進んでいく。
「たぶんこっちだと思うけど……あれ、おかしいな」
しばらくすると、嵐くんが画面とにらめっこをしながら首をひねりはじめた。
どうしたの、と梨花ちゃんが嵐くんに近づく。
「分かんなくなった? 見せて見せて」
「この道がこれだろ、それで……」
「え、違うんじゃない? あっちの道じゃない?」
「そうかあ?」
どうやら道が分からなくなってしまったらしい。
私も一応見せてもらったけれど、そもそも土地勘がないので、役には立てなかった。
もしかしたら看板か案内板があるかもしれない、と思って首を巡らせてみる。
傍らの樹を見上げている雪夜くんの姿が目に入った。
炎天下にも関わらず涼しげな顔をして、そよ風にさわさわと揺れる梢を見るともなく見ているようだ。