「狂ってるよ……おかしいよ………。


日本もアメリカも………」






そのとき、ごうごうと燃えていた家から、ドオッと轟音が聞こえた。






視線を向けて、愕然とする。




炎に包まれた家が、こちらに向かって崩れてきた。




それがスローモーションのように見える。




でも、………よけられなかった。




視界が真っ赤に染まる。





あたしは目を瞑り、首を縮め、身体を丸めて、その衝撃に備えた。





鼓膜が破れそうなほどの音と共に、焼け崩れた家の破片が降り注いできた。





倒れ伏して、しばらくして身を起こす。




右足が熱い。




見ると、ぶすぶすと煙を上げている焦げた太い梁が、足の上に載っていた。





先ほどまで燃えていた熱を孕んだ梁。





次の瞬間、貫くような痛みが襲ってきた。





太くて重い梁の上に、さらに屋根が崩れ落ちてきて、足は少しも動かせなかった。




熱気に巻かれて、全身が焼けるように痛い。





………もう、だめかな。




あたし、死ぬのかな。





こんなところで、一人ぼっちで。