「百合ちゃん、ちょっとおじさんたちのおしゃべりに付き合っておくれよ」





にやにやしながら言うのは、お茶目で明るいムードメーカーの石丸さん。



年齢は二十で、彰とは同年生まれということで、この中でも一番仲が良いらしい。





「おい石丸、下卑た言い方はやめろよ。

百合ちゃんが嫌がるだろう」





苦笑しながら諭すのは、熱血漢の加藤さん、二十六歳。





「そうですよ、石丸さん。親父くさいですよ」





加藤さんの隣で眉をひそめているのは、この中では最年少、十七歳の板倉さん。





「なんだと、板倉め、生意気な!」





石丸さんが怒った顔をつくって板倉さんの頭を片腕に抱えた。



板倉さんが「痛い痛い」と嫌がるのを、みんなが笑って見ている。




板倉さんは、大きな商家の四男に生まれたお坊ちゃんで、末っ子らしい愛嬌があり、年上の隊員さんたちからとても可愛がられているのだ。





「まったく、お前達は仲良しだなぁ」





と微笑んでいるのは、この中で最年長の、二十九歳の寺岡さん。




包容力のある穏やかな人柄が、隊員たちから信頼されているのが見ていて分かる。