彰の口から『特攻』という言葉を聞いたことはあったけど、まさか全員が特攻隊員だとは思っていなかったあたしは、驚いて言葉に詰まった。






「お国のために若い命を捧げなさる、生き神さまだよ。


あと数ヶ月、あと数日もしたら、みんなお国のために散華される尊い方々だから………。


だからね、精一杯、できる限りのおもてなしを、してあげたいじゃないか」






あと数ヶ月?



あと数日?




うそ………彼らはみんな、もう少しで死んでしまうってこと?





唐突に突きつけられた事実に、あたしは愕然とした。




そういえば、ここにくる兵隊さんたちの顔は、その都度すこしずつ変わっていく。



突然来るようになる人もいるし、突然来なくなる人もいる。




まさかと思ってツルさんに訊ねると、来なくなった人はみんな、特攻の命令を受けて出撃していった人たちだった。



新たに来るようになった人は、この基地から特攻隊として出撃するために、他の土地から移ってきた人たち。