「うん……そうだね」
あたしは素直に頷いた。
「普通に学校行って、普通に授業うけて、普通に友達とおしゃべりして。
そういうの、失って初めて、すごくかけがえのない、ありがたいものだったんだって思う」
俯いて薄汚れたスニーカーの爪先を見つめながら、小さく呟くように言うと、彰がぽんぽん、と頭を撫でてくれた。
「………すぐに戻れるよ」
彰の言葉の意味がすぐには分からなくて、あたしは目を上げた。
彰は決然とした表情で真っ直ぐに前を向いている。
「日本軍がアメリカに勝てば、全て元通りになる。
みんな、百合も俺の妹も、昔のように学校に通えるようになる。
………俺が通えるようにしてみせるよ。
この命を懸けて」
それを聞いたとき、彰が以前、『特攻』という言葉を吐いたのを思い出した。
彰は、特攻をするつもりなんだろうか。
自爆テロみたいに、爆弾を積んだ飛行機で、自分の身体ごと敵に突っ込んでいくつもりなんだろうか。
ーーーなに、それ。
意味わかんない。
あたしは素直に頷いた。
「普通に学校行って、普通に授業うけて、普通に友達とおしゃべりして。
そういうの、失って初めて、すごくかけがえのない、ありがたいものだったんだって思う」
俯いて薄汚れたスニーカーの爪先を見つめながら、小さく呟くように言うと、彰がぽんぽん、と頭を撫でてくれた。
「………すぐに戻れるよ」
彰の言葉の意味がすぐには分からなくて、あたしは目を上げた。
彰は決然とした表情で真っ直ぐに前を向いている。
「日本軍がアメリカに勝てば、全て元通りになる。
みんな、百合も俺の妹も、昔のように学校に通えるようになる。
………俺が通えるようにしてみせるよ。
この命を懸けて」
それを聞いたとき、彰が以前、『特攻』という言葉を吐いたのを思い出した。
彰は、特攻をするつもりなんだろうか。
自爆テロみたいに、爆弾を積んだ飛行機で、自分の身体ごと敵に突っ込んでいくつもりなんだろうか。
ーーーなに、それ。
意味わかんない。