「―――気分が悪いので、保健室に行ってきます」
あたしは一方的に告げて、教科書を投げ出し、すたすたと歩き出した。
ヤマダが眉をしかめて「おい!」と言ったけど、無視して後ろのドアから廊下に出る。
クラスメイトたちが唖然とした顔で見ていた。
それから、周囲の子達と何かを言い合っている。
普段はあたしのことなんか見て見ぬふりで空気みたいに扱うくせに、こういうときだけは興味津々なんだから、笑える。
ああ、本当に、なにもかもがイライラする。
あたしは保健室には行かず、階段をのぼっていく。
立ち入り禁止屋上に出るドアの鍵が壊れているのを、あたしは知っていた。
目映い陽射しに照らされた屋上は、吐き気がするほど暑い。
どこにいたって居心地が悪いのは同じだ。
家も、教室も、青空の下でさえ、あたしの苛立ちは収まることはない。
でも、誰にも見られる心配がないこの場所が、まだいちばんマシだった。
下校時刻になるまで屋上で時間をつぶして、ひと気のなくなった教室に鞄を取りに戻り、あたしは逃げるように学校を出た。
あたしは一方的に告げて、教科書を投げ出し、すたすたと歩き出した。
ヤマダが眉をしかめて「おい!」と言ったけど、無視して後ろのドアから廊下に出る。
クラスメイトたちが唖然とした顔で見ていた。
それから、周囲の子達と何かを言い合っている。
普段はあたしのことなんか見て見ぬふりで空気みたいに扱うくせに、こういうときだけは興味津々なんだから、笑える。
ああ、本当に、なにもかもがイライラする。
あたしは保健室には行かず、階段をのぼっていく。
立ち入り禁止屋上に出るドアの鍵が壊れているのを、あたしは知っていた。
目映い陽射しに照らされた屋上は、吐き気がするほど暑い。
どこにいたって居心地が悪いのは同じだ。
家も、教室も、青空の下でさえ、あたしの苛立ちは収まることはない。
でも、誰にも見られる心配がないこの場所が、まだいちばんマシだった。
下校時刻になるまで屋上で時間をつぶして、ひと気のなくなった教室に鞄を取りに戻り、あたしは逃げるように学校を出た。