「こらこら、そんなにがっつくなよ。


百合が驚いているじゃないか」






佐久間さんが苦笑しながら言うと、兵隊さんたちは「すまんすまん」と笑って食卓に座った。




その後も軍服の人たちがぞろぞろと店の中に入ってきて、あたしは質問責めに遭った。






「百合ちゃんて言うのか。いくつ?」




「14です」




「若いねぇ! どこの学校?」




「あ、えと………」





少し困っていると、佐久間さんが「ほら、早く注文しよう」と助け舟を出してくれた。





ほっとして注文をとり、あたしはツルさんのところに伝えに戻った。






「百合ちゃん、大人気だねぇ」




「いや、そんな」




「いい看板娘ができたよ」





ツルさんは楽しそうだった。




あたしは少し離れたところで、兵隊さんたちを観察する。





近くの基地に配属されている兵士たち。




見てみると、ほとんどが10代か20代前半に見える若者だ。





ツルさんの話だと、彼らは休日のたびにこの食堂に集まってくるらしい。