あたしがショックを受けていると、ツルさんは金だらいを土間に置き、水を張って、





「着替え、持ってくるからね」





と台所を去った。




とりあえず、汗を流すだけでも………。




あたしは砂埃まみれになったセーラー服を脱ぎ、裸になって、金だらいの水の中に手拭いを浸した。




絞って身体を拭くと、





「わ、つめたっ」





いくら夏とはいえ、水浴びはさすがに冷たい。




でも、仕方ないか………



水浴びできるだけでも幸せだって思わなきゃ。





ひんやりとした水に髪を浸して洗っていると。





「着替え、ここに置いとくよ」





戸口からツルさんが顔を覗かせた。




素っ裸を見られて、あたしは全身をびくりと硬くした。




ツルさんがぷっと噴き出す。






「あれまぁ、女同士なのに、なに恥ずかしがってんの」





「いえ、だって………」





「それにしても百合ちゃん、ちょっと痩せすぎじゃないかい……」






ツルさんはずいっと近づいてきて、あたしの裸の二の腕をつかんだ。