でも。



目覚めても、やっぱりあたしは1945年の日本にいた。




また大泣きして、泣いて泣いて、もう一度眠った。




そうして起きたときにも、やっぱりもとのままだった。






「………のど、かわいた。

おなかすいた……」






あたしはよろよろと立ち上がり、外に出た。




何時なのか、何日経ったのか、まったくわからない。






「………もう、帰れないのかな………」






ぽつりとした呟きは、晴れ過ぎた青空に吸い込まれるように消えていった。





涙はすでに枯れてしまって、視界は滲みすらしない。





鞄はツルさんのところに置いたままだった。




とにかく取りに行かないと………。





ふらふらとした足取りで、あたしは鶴屋食堂に向かった。