「やだ………帰りたい。


帰りたい、帰して!!」






泣きわめきながら狭い壕の中を走り回り、壁を叩いて、地面を蹴って、どこかに出口がないか探した。




でも。





「…………なんで?」





変化は何ひとつ起こらなかった。




あたしは砂利の上にへなへなと座り込んだ。





ーーーそうだ。




ここに来た時は、眠って目が覚めたらこの世界にいたんだ。





ってことは、同じように壕の中で眠れば、起きた時には現代に戻れるはず。





あたしは泣きながら地面に横たわった。






いやだ、いやだ、いやだ。




こんなところはいやだ、という思いだけが、あたしの心を支配していた。





混乱のあまり寝れそうにもなかったけど。



嗚咽を上げて泣きじゃくっているうちに、いつの間にか眠りについていた。