あたしは石丸さんの優しさに思いを馳せ、口許に少し笑みを浮かべて、何気なく次に視線をうつした。






ーーーその瞬間、心臓が止まった。




一瞬で、目の前が真っ白になった。





ふら、と身体が揺らぐ。




倒れないように、あたしはガラスケースに手をついて、衝撃が収まるのを待った。






ーーー彰だ。




彰の字だ。




彰だ、彰の手紙だ。





ぐ、と胃がせりあがってくるような感覚を覚えた。




動揺のあまり吐き気を感じながら、あたしは彰の手紙を凝視する。





お父さんとお母さん、そして弟さんと妹さんに向けた、四通の手紙。






あたしは、ガラスケースにほとんどすがりつくように前のめりになって、彰の手紙を読み始めた。