見開かれた彰の瞳が、星明かりに煌めいている。




あたしは起き上がって、彰に抱きついた。






「ねぇ、彰。


行かないで。

死なないでよ………。


いやだよ、彰がいなくなるなんて」






こんなことを言ったって、彰を困らせるだけ。



分かっていたけど、止まらなかった。




あたしは必死に彰にすがりついて、懇願するように言う。






「彰、彰………。

ねぇ、あたしは彰にとって妹みたいなものなんでしょ?


それなのにあたしを置いていくの?

ねぇ、どうして?


いやだよ……行かないでよ………」






涙が滲む目で彰を見上げると、彰の顔がつらそうに歪んでいた。




そんな顔は初めて見た。




いつも穏やかな表情をしている彰の、苦悩に歪んだ顔。





あたしのせい?




あたしが彰を苦しめてるの?





思わず口を噤んだとき、彰があたしの背中に腕を回した。





ふわりと包まれて、どうしようもなく切なくなる。





こんなふうに抱きしめてもらえるのも、あと………三日。




いや、もう、あと二日しか残ってない。