あたしは草むらの上にごろりと寝転んだ。




彰も同じように仰向けになる。





星空を見上げながら、あたしは「ねぇ、彰」と呟いた。





彰が「ん?」と答える。





あたしはこの声が大好きだ。




柔らかく訊き返す声。



この声を聞くと、どんなことでも、いつまででも、話していたくなる。





「ねぇ、彰」





「うん」





「…………行かないで」






さらりと言ってのけるつもりだったのに、あたしの喉から絞り出された声は、情けないくらいに掠れて震えていた。





彰が目を丸くして身を起こし、「え?」と訊き返してくる。




あたしはもう一度、





「行かないで」





と言った。






「どこにも行かないで。

ずっとここにいて。


特攻なんか、やめてよ………」