それを見ながらあたしは、「生きて守れ」と言った彰の言葉を反芻していた。




お前は、生きて守れ。



「お前は」、生きて守れ。




「俺は」………死んで、守るから。




―――彰の言葉の裏には、そんな含みがある気がした。




それが、悲しくて、切なくて、たまらなかった。




死んだら、誰も守れないよ。



死んで守るなんて、間違ってるよ。




ねえ、彰、気づいてよ………。



死んじゃだめだよ。





そのとき、向こうから複数の足音が聞こえてきた。




見ると、石丸さんを先頭に、寺岡さんと加藤さんが駆けてくるところだった。




彰の隊の仲間が集まったのだ。





「板倉、お前………」





加藤さんが苦々しい顔で呻いた。





「お前、………逃げるのか」