彰の言葉を、板倉さんは呆然とした表情で聞いていた。





「え……佐久間さん………」




「行け。お前は、生きろ」





彰は有無を言わさぬ強さで言い、板倉さんの背中を押した。



まだ信じられないような表情で振り返る板倉さんに、彰がゆったりと微笑みかけた。





「俺が、二人分の戦果をあげてやる。

お前の分まで、俺はやってみせる。


だから、お前は………守るべき者を守れ。


お前は、生きて守れ。

生きて、守るんだ」





ーーー瞬間、板倉さんの目に涙が溢れた。



板倉さんは彰に向き直り、深く項垂れて、





「ありがとうございます、ありがとうございます………!」





と何度も言った。




彰は微笑んだまま、「ほら、早く行け」と言った。