どきどきと心臓が高鳴る。



嫌な予感がした。





石丸さんがふざけて、


板倉さんがからかわれて怒った顔をして、


加藤さんが仲裁に入って、


彰がそれを見て明るく笑って、


寺岡さんは穏やかに見守っている。




いつもの光景。




でも、何かが決定的におかしかった。





ふいに会話が途切れたとき、笑みを浮かべたままお茶の入った湯呑みをじっと見つめる寺岡さん。




すっと俯いて、動かない板倉さん。




天井をじっと見つめる加藤さん。




いつもの微笑みで黙って店内を見渡す彰。





そんなみんなを見て、石丸さんがまた何か茶化すようなことを言うと、みんなが一斉に視線を戻して笑った。





そんな様子を見ていて、あたしの不安は急速に膨れ上がった。





………何かあったんだ。




でも、いったい何が?





まさか………でも、考えたくない。






あたしは必死で何食わぬ顔を作り、いつものように食事を運んだ。