悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 翌朝。
 起きてすぐ、外から威勢のいい掛け声が聞こえてきた。
 窓を開けると、屋敷の庭でヨイが素振りしているのが見える。
 青春マンガの1ページみたいにキラキラして見える。

「おはようございます、ヨイ様。精が出ますね」
「おはようございます、クリティア様。いい朝ですね。どうです、ちょっと走りませんか」
「懐かしいですねー。今そっちに行きます」

 お腹をすかせておいたほうがご飯が美味しくなる。
 それに、かつての夏合宿を思い出して楽しいじゃないか。

「ふぁあー。おはよークリティアー。なに、どうしたの?」

 客室を出たところでコリンがやってきた。

「おはよう、コリン。ヨイ様がちょっと走らないかって言ってるから。ご飯の前にどう?」
「へー。朝活もいいかも! 懐かしい。合宿のときも走っていたものね」

 コリンも二つ返事で乗り、ジャージの袖をまくる。
 そう、この時の私達は忘れていた。