悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 クリティアです。
 今、私は馬に乗って領地の雪原をかけています。

 なぜ乗馬しているのかというと、表向きは領地視察のため。

 裏の目的は、ダイエットである。

 こけしに引けを取らない寸胴になったため、「料理研究だけでなくもっと運動しなさい」と母上にケツを叩かれ、かれこれ一週間乗馬の毎日である。

「領地の見回りをしつつ運動になる。良かったじゃないですか姉上」
「皮肉のエッジが効いてるぅ」

 一緒に視察に来ているクロムはいい笑顔だ。普段乗り慣れているから、涼しい顔。

 私は、前世ただの干物やで。
 ただの会社員だった私が乗馬なんてできるか!
 指導員のシゴキで叩き込まれて、今一人で乗っている。貴族の娘はこれくらい当たり前って……。

 ここ一年財政が潤っているから、道路や町は整備しているし、ひもじい思いをしている人はいない。良いことだ。